歯は、指や手足と同様に、あなたの体の大切な一部です。痛いからといって、やたらに抜いていいものではありません。できるだけ「抜かず」、また「削らず」に、治療を行うことが大原則です。
しかし、患者さんの歯の状態によっては、歯を抜くことが、残りの歯や歯ぐき・あご、さらに全身の健康にとって必要な治療となることもあります。
腫れて痛みがあるときは、全身への影響を考えて、すぐに抜くことはしません。抗生物質や消炎剤を飲んで、症状が少し落ち着いてきてから、あらためて抜くようにします。
歯を抜くときは、もちろん麻酔をかけます。1時間程度で麻酔はさめますが、そのあと痛みが出ることがあります。我慢できないときは、痛み止めを飲んでかまいません。痛み止めを飲み、それが体に吸収されてはじめて、効果が出てきます。効き始めるまでには30分ほどかかります。また、指示がある場合は、感染防止のための抗生物質や腫れ止めの消炎剤なども必要です。
歯を抜いたときの注意
- なるべく安静に
- 過度の運動や飲酒はひかえましょう。また、熱いお風呂は避けましょう。
- 出血
- 傷口からじわじわと出血します。唾液と混ざり、実際より多量に思えることもあります。固まりかけた血液が流れてしまいますので、何度もうがいしないようにしましょう。
- 痛い時
- 麻酔が切れると、痛みが出ることがあります。我慢できないときは、痛み止めを飲んでも結構です。抜いた時の状態によっては、腫れる場合もあります。
- 食事
- 1時間位すると麻酔がさめてきますが、お口の感覚が戻るまで待ちましょう。頬や唇を噛んだり、熱いものがわからないので注意してください。
- 歯磨き
- 傷口のかさぶたをはがしてしまうと、出血してくることがあります。なるべく歯ブラシが当たらないようにしましょう。
- なくなった歯の部分は
- 1本でも歯が少なくなると、見た目はもちろんのこと、他の歯が動いたり噛み合わせが狂うこともあります。仮に歯を入れることもありますが、抜歯した傷が完全に治るには数ヶ月かかりますので、本格的な治療は傷口がきちんと治ってから行います。